●オープンは静かに

いよいよ新規開店!

店頭には花輪が並び、開店前から玄関に行列ができる。
特に飲食店経営を目指す人なら、夢にまで見る光景だろう。

オープン初日、お客でごった返す店内。
それはすばらしいことだ。
でも、そこには落とし穴があるかもしれない。

近くに新しい飲食店ができれば、ご近所の人は興味を持って来てくれる。
だから3か月は、お客でにぎわうことはほぼ保証される。

問題はそれからだ。
客数が、そこからずるずる落ちるケースが少なくないからだ。


一度訪れれば、「あの店は行ってみたよ」ということで、もう訪れない人が多い。
消費者には飽きるという習性があることを忘れてはいけない。

そして店の側にも、“すき”がある。
オープン時は厨房のオペレーションも、接客も、たぶん不慣れ。
そこに、どっとお客様が来たら、料理も接客も、もたついて不満に思われる。
つまりオープンのにぎわいが、お客に不満を与える原因になる。

しかしオーナーは、
「これだけ支持されれば、このまま集客が続きそうだ」
と勝手に考えてしまう。
そして3か月が過ぎ、見込み客がほぼ一巡すれば、一度かぎりの客はもう来ない。

だから飲食店の場合、オペレーションが確立しているなら、
スタートダッシュをかけてもいい。

でも料理の速度、味、接客に不安があるなら、
オープンは静かに立ち上げるべきだろう。
いつ開店したかも分からないように立ち上げて、
少ないお客を相手に料理と接客の腕を磨く。
するとお客はリピーターになり、口コミで周囲に宣伝してくれるようになる。

そうすれば、3か月目まではお客が少なくても、
そこから右肩上がりのカーブで売上アップが期待できそうだ。

店を支えるのは、リピーターと口コミ。
そのためには、オープン日に行列ができるのをあきらめる勇気も必要だ。