●心理で売る


 消費者が商品を買う時、背景には深層的な欲求が隠れ
ているものである。「快楽を得たい」「恐怖を避けたい」
など。そうした深いレベルの欲求を満たす商品やサービ
スが、数多くの客を獲得するものである。

1「イメージ」
 たとえばジッポ社のライターには、『永久保証』がつ
いている。万が一故障しても、工場に送れば無料で修理
してくれる。しかしそれ以上に、永久保証というだけで、
お客は勝手に、「ジッポは優秀で頑丈だ」とイメージして
くれる。

2「感覚刺激」
 空調で花の香りを店内に流したら、購入単価が上がっ
た靴店。ベビーパウダーの香りをさせたら、子供用品の
売上が伸びた子供服店。アーチ状の“乳房”を連想させ
る形にして、世界中に浸透したマクドナルドのロゴ。フ
ランスの曲をBGMにして、フランスワインの売上を伸
ばした店。スローテンポの曲で滞在時間を長くして客単
価を上げた店。すべて無意識のうちに、感覚に働きかけ
ている。
     *
 そこで、売るテクニックを考えると。

●売り方を変える
 クリネックスはコールドクリームのふき取り用紙とし
て発売されたが売れなかった。しかし「鼻をかむための
紙」という訴求に切り替えたところ、人気商品になった。

●品切れさせる
 手に入らないと、よけい欲しくなるものである。ナイ
キ社のエアマックスに数十万円の価格がつくことでも分
かる。期間限定、数量限定という戦略である。

●待ち時間を錯覚させる
 客は待ち時間が長いといやになる。そこで時間を錯覚
させる方法は、「鏡」と「水色」だ。鏡で自分の顔を見た
り、水色を配置すると、時間の長さをそれほど感じなく
なる。混雑する場所、待ち時間の生じる場所は壁や床を
水色にして、鏡を置けばいい。

●説明は少ないほどいい
 アピールするポイントをすべて並べるのと、訴求点を
一個だけ載せるのと、どちらの広告に消費者はひかれる
か。実験の結果は、一個だけの方に強くひかれることが
分かる。アピールしたいことを全部説明すると、かえっ
て評価が低くなる。

●悪いところもアピールする
 いいところだけをアピールするのを『一面呈示』、不
都合な情報も含めてアピールするのを『両面呈示』とい
う。心理学者の実験によると、両面呈示の方が20パー
セントも効果的だという。悪いところもアピールした方
が、消費者は納得してくれる。

●恐怖心に訴える
 「口が臭いといかに嫌われるか」という説明文の後に
歯磨きの広告を見せると、高い率でその商品を買いたい
と回答する。ただし、あまり強い恐怖を与えると逆効果
になる。ちょっとした恐さと、その解決策のアピールが
肝心なポイントだ。



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