《第124話》

商店街活性化を目指すな


  
 大売出しなどの恒例イベント中止、スタンプ事業廃止など、商店街活動の衰退が各地で聞かれます。街区の空き店舗も増える一途。「もう商店街に未来はない」と、ため息まじりにつぶやく関係者の悲痛な声が聞こえてきそうです。

 商店街衰退の理由としては、 “個店の自助努力不足”も指摘されるところです。たしかに旧態依然の商品やサービスに、消費者がそっぽを向いたことは否定できません。ただ、オーバーストア状態が恒常化した商業環境では、零細商店の自助努力には限界があります。そして商店街衰退は、商店だけの問題にとどまりません。まちづくり上、自治体にとっても避けて通れない問題です。

 そこで国は平成10年、まちづくり三法を整備。商店街衰退や中心市街地空洞化の解消が期待されました。でも、そのねらいに反し、郊外大型店の増加とまちなか空洞化は、それまで以上に進行。国はその反省から、昨年まちづくり三法を改正したものです。しかしそれで、中心市街地の再生と、商店街の活性化が約束されたものではありません。

まちづくりの視点

 現在の国の方針は『選択』と『集中』。本気で活性化を目指し、しかも十分に成功の見込みのある活性化基本計画だけ、集中的に支援するというものです。これまでなら、とりあえずTMOを立ち上げて、何をやるかはそれから検討するという計画でよかったかもしれませんが、今後はそれで国の認定を得るのは無理でしょう。

 これからの計画づくりの際のポイントは、明確なビジョンと、それを実行する意志があること。商業者も、行政や商工会議所・商工会にまかせっぱなしでなく、使命感を持って自力で活動できるかどうかがカギです。

 もう一つのポイントは、商業者は、商店街活性化ではなく、まちづくりを目指すべきだということ。商業者の活動なら、商店街活性化を前面に出して当然と思われがちですが、そうとはいえないようです。
 商店街活性化は、商業者にとっては重要な問題。でも住民にとっては「それはお店屋さんの都合でしょ」と、傍観者の立場でしか受け止められません。従来の商店街活性化計画が消費者の理解を得にくかったのは、そういう理由が考えられそうです。

 では、まちづくりならどうでしょう。消費者と商業者が同じ視座に立って、まちのあるべき姿を検討できることになります。そしてまちづくり計画には、商業環境の整備も当然含まれます。だから、遠回りのように見えても、商店街関係者がまちづくりに参加することが、結局は商業活性化のためには、一番確実な道といえるでしょう。

新業態の創造を

 「昔のにぎわいある商店街を取り戻したい」という気持で、商店街活性化に真剣に取り組んで来た人たちはたくさんいます。でも、成果がなかなか見えず、もっと頑張り、それでも成果が見えない、ということを繰り返して、結局は疲労感とあきらめだけが残った、というケースはたくさんありそうです。

 だからこそ発想を変えて、商店街活性化を目指すのではなく、まちなか商業の新しい業態を作ることを考えてみてはどうでしょう。つまり商店街という形態をまもるのではなく、まちづくりに整合する、新しい商業集積の形を創造するということです。

 たしかに現在の商店街には、課題は多すぎます。でも発想を変えれば、まちなかのマイナス要因が、プラスに活用できる可能性が生まれます。新業態創造の視点で構想すれば、お荷物だった空き地や空き店舗が、次第に宝の山に見えてくるかもしれません。







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