《第127話》

スタンプはよみがえる


  
 スタンプ事業は、小さな店の共同で推進できる、手軽な販促事業。でも最近は、スタンプの業績が低迷している事例が多く、スタンプ会が廃止に至るケースもあります。

 たしかにいまどき、大型店ならポイントカードでのサービスが当たり前。台紙にペタペタ貼るスタンプは、時代遅れのイメージがあります。そこで多くのスタンプ会で、ポイントカードへの媒体切り替えが進みました。

しかしカードに切り替えると、読み取り機のリース代や維持管理費用が発生。余分な経費がかかるとなると、店の支出を減らそうとして、困ったことに、ポイントを出し惜しみする店が現れ始めます。
 出し惜しみとは、レジで「カードをお持ちですか」を言わないこと。それでカードを提示するお客を減らし、ポイント打点での店の出費を減らそうというねらいです。でもそんな店側の都合は、カードの魅力もポイントの販売実績も、そして店の売上も確実に減少させます。あなたの周囲にも、そういう店が少なからずあることでしょう。

スタンプの強み

 そこでもう一度、スタンプに目を向けようという動きが出てきました。カードでのサービスはスマートですが、考えてみると、消費者の財布はすでにカードだらけ。便利さよりも、探す煩雑さのウェイトが結構大きくなっています。それなら、カードとの差別化という意味で、スタンプの存在感が示せそうです。

 そして、スタンプは紙媒体ですから、ポイントカードほどの経費はかかりません。軌道に乗れば、運営経費の捻出は、カードよりずっと楽でしょう。ということで、その強みを生かし、ポイントカードからスタンプへ、という作戦が、静かに動きだしました。

 A県のショッピングセンターPは、先祖返り作戦。業績低迷のポイントカードを廃止して、スタンプへ移行したものです。従来は、カード所有の地元客と、通過客を見分けるのが大変で、レジで「カードをお持ちですか」の声かけはほとんどなし。それをスタンプにしたことで、地元客、通過客に関係なく、どのお客に対しても、スタンプを差し出せるようになりました。低迷していた売上は、これを機会に上向きになりつつあります。

 F県N町のサービス店会は、ポイントカードの機械が老朽化したのをきっかけに、新型スタンプを導入。参加店には店を表すQRコードのゴム印を置いて、五百円の買い物ごとに一個押印するものです。満帖台紙を事務局の機械でスキャンすると、どの店が何個押印したかが分かるというシステム。スタンプのアナログさを、デジタル処理で近代的管理に変えた事例です。

二つの柱

 先祖返り作戦と、新型スタンプ導入作戦。いずれも、新方式への切り替え前に、私からそれぞれの会員の皆さんへは、スタンプ事業成功のための留意点をお話させていただきました。主旨は、次の二つの柱です。

1 お客が得すること
2 楽しさを加えること

 店をもうけさせてあげようと思って来店する消費者はいません。お客が得することが大切。そこで、スタンプをそのための武器として活用することが、一つの柱です。

 もう一つの柱は、楽しさの創造。買い物は、必要なものを買うだけでなく、楽しさというスパイスが大切。個店イベント、連携イベントなど、そのためのヒントを差し上げてきたものです。

 動き出した二つの作戦。その成果が明らかになれば、スタンプは活性化の切り札として再注目されるでしょう。スタンプがよみがえる日は、決して夢物語ではないのです。










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