《第131話》

来店の法則


  

商店街や個人商店で、年末年始セールをやめるケースがめっきり増えています。人通りの減った街並みでは、店主や商店街役員の方々から、「やってみても、年々集客効果が低下していくから…」と、販促をやめた経緯とため息が聞かれます。たしかに、昔ながらのガラポンや、温泉一泊御招待には、消費者の心がそれほどときめかない時代。販促に苦慮する事情は十分察しされます。

 もちろん客数減少は、販促のマンネリのせいだけではありません。まずは店自体のレベルアップが必要。一店逸品運動などで、商品やサービスの満足度を高める努力は欠かせません。

 ただ、問題はもっと深いところにあります。おそらくほとんどの店は、多くの消費者に、生涯に一度も入店してもらえないはず。つまり消費者に店を訪れてもらい、商品を見て欲しいと望んでも、そのスタートラインにさえ立っていない、というのが実情なのです。

 では、そういう消費者に、まずは入店してもらうには、どうしたらいいのでしょうか。そのための『来店の法則』を探ることが、商店街や個人商店にとって大切なカギになりそうです。

入りやすい店の条件

 通りかかった人が、つい入ってみたくなる店があります。そういう店には、いくつか共通点があります。

1 出やすい店である
 入店したら、買わないと出られないと感じる店には、消費者は恐くて入れません。気軽に眺めるだけで、出られること。それが外から確認できる店なら、消費者はそれほど抵抗なく店に入れます。だから、「出やすい」店が、入りやすい店ということになります。

2 買わない客を歓迎する
 試食、商品のお試し、休憩が自由にできる。そういう店内に、多くの人の姿が見えたらどうでしょう。通りかかった人も、つい入ってみたいと気持ちをそそられます。店内に多くの人がいる状態は、大きな集客力になります。店が人を呼ぶ、という以上に、人が人を呼ぶものです。

3 楽しさを提供する
 消費者にとって、昔の買い物は、生活に必要なものを購入するための行動でした。でも現在は、必要なものを買うというだけでなく、いろんな商品や店頭陳列を見て歩くのも買い物の一部。買い物という行動に、楽しさをプラスすることが、喜ばれるこつです。

売らないスタンプラリー

 各地のスタンプ事業が衰退に悩んでいます。そこでA市のスタンプ事業参加店で、私のアイデアを盛り込んだ、スタンプラリーというイベントを実施しました。イベントの骨子は来店の法則「出やすい」「買わない客歓迎」「楽しさ提供」です。すると、このイベント参加店には、それまで店に入ったことのない市民がたくさん訪れてくれました。イベント期間中、まちなかは店を巡って歩く人たちで、にぎわいました。

 「買わなくていいです。店を巡ってスタンプを集めてください」というこのイベントの目的は、『来店動機』をつくることでした。消費者は、一度も入ったことのない店には、恐くてなかなか入店できません。でもスタンプラリーなら、スタンプをもらうという目的があるから、平気で入店できるのです。入店した人の数パーセントでも、いずれ再来店してお買い物をしてくれるなら、『来店の法則』から生まれた成果といえるでしょう。

 なおこのイベントのやり方について、詳しく知りたい方は、編集部を通じてお問い合わせください。個店や商店街、スタンプ事業活性化の起爆剤になれば幸いです。






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